喫煙に伴うリスク

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喫煙が健康を害することはよく知られていますが、心筋梗塞などの心血管疾患や肺がん、膀胱がんなどの悪性腫瘍のみならず、胆石や逆流性食道炎などの消化器疾患や骨折・リウマチ性関節炎などの筋骨格疾患や糖尿病、多のう胞性卵巣などの内分泌疾患など、数多の疾患の原因となることも、わかってきています。
また、受動喫煙の問題もあります。受動喫煙をしてしまう環境下にいる方は、心血管イベントの発生率は28%増加し、子供の場合、善玉コレステロールの減少や血管機能の低下も報告されています。

ニコチン依存症のメカニズム

ニコチンは内分泌かく乱物質として有名です。ドパミン、セロトニン、ノルエピネフリンなどのホルモンはニコチンの摂取によって分泌され、気分の高揚を起こしますが、一方で、血管収縮作用や心拍数・血圧の上昇効果も同時に発揮し、心血管の負荷となります。
ドパミンは大脳辺縁系を制御しますが、この制御は「脳内報酬系」と言われ、多幸感などの感情を誘引します。覚せい剤や麻薬も「脳内報酬系」に作用するものであり、ニコチンはこれらの薬物と同様のメカニズムによって身体的・精神的依存を引き起こします。

禁煙外来

ニコチン依存症の方の場合、ニコチン貼付剤を使用して、体内のニコチン濃度を上げることで、離脱症状を回避します。以前はチャンピックスという内服薬が使用されていましたが、この薬剤は少量の発がん物質が検出されたため、現在販売停止となっています。
外来では、一酸化炭素濃度をモニターしながら、禁煙の補助を行います。
一般的には、初診、(初診日から)2週間後、4週間後、8週間後、12週間後と定期的に受診していただきます。
禁煙に少しでも興味のある方は、是非一度ご相談ください。

険適用対象者の条件について

  • スクリーニングテスト(ニコチン依存症を判定する問診テスト)で、ニコチン依存症と診断された方
  • 35歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
    ※35歳未満の方は喫煙指数とは関係なしに禁煙治療ができます
  • 直ちに禁煙したい方
  • 「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療の説明を受け、治療を受けることを文書により同意した方
  • 以前に禁煙外来へ通院していたが中止してしまい、その初診から1年が経過している方

禁煙をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。